講義概要

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「学生とアーティストによるアート交流プログラム」参加企画
 NPO法人向島学会 × 東京アートポイント計画(墨東まち見世2010)参加企画

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科目一覧

必修科目

001 向島概論
「墨東大学」の舞台となる向島エリアについて学びます。[50]
002 卒業制作
卒業要件として、全員が履修する。それぞれの関心に応じて、半年間の成果を形にしてまとめ、「卒業制作展」に出展することが義務づけられている。なお、卒業制作をすすめるにあたっては、講師陣のなかからひとり(もしくは複数名)をアドバイザーとして、密に連絡を取りながら仕上げるのがよい。[34]

選択科目(講義系・実習系)

※卒業のためには、下記の科目群(講義・実習系は問わない)から40単位以上を取得する必要があります。

101 キャンプ論
「墨東大学」は、私たちの日常生活や人間関係を“大学(大学生活)”に見立てて、地域を考える試みである。墨大生たちの活動の舞台となる「キャンパス」とは何かについて考えるとき、「カンプス(広場・平らな場所)」というおなじ語源から派生した「キャンプ」について知ることも重要だ。「キャンプ」は、①人びとが集いのびのびと語り合う、②現地で調達する、③かぎられた滞在時間を満喫する、といった側面が際立つ〈学びの場〉である。「キャンプ論」では、講義とディスカッションをつうじて、墨大生であることの意識を高め、移動型・仮設型学習のあり方について考えてみたい。[10] (加藤文俊)
102 迷子學入門
私たちは「迷う」ことによって得られるかけがえの無いものを見落としてはいないだろうか。効率化が研ぎ澄まされた現代だからこそ私達は一度立ち止まらなければならない。本講座は「迷う」ことに積極的に取り組み、そこから得られるイレギュラーな発見を共有し、後の人間形成に役立てていくことを目的としている。複雑に入り組み私達をいざなう墨東の路地を舞台に、二つのサイコロを使った迷いのメソッドを用いて「迷子」となることを実践する。迷いの先々で与えられる様々なミッション、積極的な行動。これらをすべて記録し、最終的にプレゼンテーションを行う。迷うこととは即ちアドヴェンチャーである。迷いの記録からみえるものを語り合おう。[10] (木村健世)
103 大人の学び論 I
ここ数年、社会人になった後も積極的に「自分磨き」に取り組む人が増えているようです。いわゆる「朝活」や、大人のための読書会の話もしばしば耳にします。そして、墨東大学もまた、大人のための「学び場」だと言えるでしょう。ただ、ここでの学びは、私たちが長い時間をすごしてきた「学校」での学びとは違う側面があるはずです。ここで改めて「大人の学び」とは何かについて考えてみたいと思います。
以上のようなテーマについて、本講座では、「教員/受講者」の関係を逆転させた授業運営をしてみたいと思います。通常の授業では、「何を学ぶべきか」を教員が決めます。そして、その学習目標に相応しいと判断した講義内容を教員が予め用意し、その内容のみが話されます。このような関係性の中では、受講者は「聴きたいことではない話し」であったとしても、それを受け入れることが求められます。では、教員が講義内容を事前に決めず、受講者が「聴きたいこと」をその場で教員に伝え、教員ができるかぎりその希望に沿った話しをするという講義(?)を行ったとき、どのような「学びの場」が出現してくるのでしょうか。
墨東大学における「大人の学び論Ⅰ」では、「子供の学び」と「大人の学び」の違い、「仕事の中での学び」の特徴といった、「大人の学び」に関する様々なトピックの中から、受講者が「聴きたいこと」をその場で選んでもらい、担当教員が出来る限りそれに応えていく、という授業運営を行います。そして、通常とは異なるこのような授業の経験をもとに、墨東大学での「学び」の意味を参加者全員で探ってみたいと思います。[10] (長岡健)
104 大人の学び論 II
私たちが「学ぶ」という言葉を使うとき、そこには「何かを身につけること」という意味が込められていることがほとんどです。しかし、「学ぶ」という活動を「考え方や振る舞い方が変わること」と理解するなら、「知識やスキルを身につけること」だけでなく、「これまでの考え方や振る舞い方を棄てること」=「学習棄却(unlearn)」も意味あることだと言えるでしょう。本講座では、この「学習棄却」という概念を取り上げ、「従来の認識を捨て去ること」や「状況に適応しないこと」の意味、それを実現するためのヒントを探ってみたいと思います。
なお、墨東大学「大人の学び論Ⅱ」では、「大人の学び論Ⅰ」に引き続き、「教員/受講者」の関係を逆転させた授業運営を行います。今回のテーマである「学習棄却(unlearn)」を中心としながらも、それに限定することなく、「大人の学び」に関する様々なトピックの中から、受講者が「聴きたいこと」をその場で選んでもらい、担当教員が出来る限りそれに応えていく、という授業運営を行います。そして、通常とは異なるこのような授業の経験をもとに、墨東大学での「学び」の意味を参加者全員で探ってみたいと思います。[10] (長岡健)
105 童貞美学 I・II
「死にゆく乙女」がさまざまな文学・メディアにおける「処女性(少女性)」という美学的・文学的価値を形成しているように、「童貞性」もひとつの美学的・文学的価値を形成している。例えば、小谷野敦『童貞小説集』(筑摩書房)では、「性の暗部に煩悶する青年」が「童貞性」という価値のありかたとして提示されている。これに対し本講座が考察しようと試みるのは、女性から見た美学的・文学的価値としての「童貞性」である。同じテキストを男性が読む場合と、女性が読む場合とでは、そこに生じる経験、およびそこで見いだされる美学的・文学的経験は異なっている。では女性から見た場合の「童貞性」とはいったい何か。本講座では講師と受講者とのディスカッションを通じて「童貞性」について考察する。[10] (大橋加誉・石田喜美)
106 大人の学び論 III
都市社会学者のオルデンバーグは、都市生活を営む上で、家でも職場(学校)でもない「第三の場所」の必要性を主張しています。それは、パリのカフェや、ロンドンのバプに代表されるような、リラックスした雰囲気の中で人々がオープンな交流をもつ場を意味しています。近年、「大人の学び」における対話的コミュニケーションの重要性が認識されるに従い、学びにおけるサードプレイスの意味についての議論が展開されています。そこで、本講座では、「学びのサードプレイス」という概念を取り上げ、「大人の学び」と「場」について考えてみたいと思います。
なお、墨東大学「大人の学び論Ⅲ」では、「大人の学び論Ⅰ・Ⅱ」に引き続き、「教員/受講者」の関係を逆転させた授業運営を行います。今回のテーマである「学びのサードプレイス」を中心としながらも、それに限定することなく、「大人の学び」に関する様々なトピックの中から、受講者が「聴きたいこと」をその場で選んでもらい、担当教員が出来る限りそれに応えていく、という授業運営を行います。そして、通常とは異なるこのような授業の経験をもとに、墨東大学での「学び」の意味を参加者全員で探ってみたいと思います。[10](長岡健)
201 まち歩き実習
まち歩きは、いつも出会いに満ちている。見慣れた風景も、ふとしたきっかけで、ちがって見えてくる。頭で考えているだけでは、何もわからない。まずは五感を駆使してまちを歩き、分断されがちな頭と身体をつなぐことからはじめたい。本講座では、身近になったデジタルカメラ(カメラ付きケータイ)を携えてまち(墨東エリア)を歩き、フィールドワークに求められる方法と態度について学ぶ。いくつかの課題をこなしながら、私たちの〈ものの見方・考え方〉をふり返り、ディスカッションをおこなう。また、ただまちを歩くだけではなく、何らかの形でメッセージを発信できるような、ひとつの「社会活動」としてのまち歩きのあり方について考える。[10] (加藤文俊)
202 文化環境フィールドワーク
人が交わる場には文化が生じ、特有の環境が構築される。本講座では、墨東地域特有の「文化環境」を個々人の感性で意味付けた上で、そこで実現したい「活動」のデザインを試みる。ここで重視する活動は「遊びを通した学び」である。墨東地域の理解を抜きに、ユニークな活動=遊びは生じない。同様に、どのような活動をデザインするかということは、どのように墨東地域を理解したかの表象である。このように、フィールドワークを通した活動=遊びのデザインを通して、まちを理解し表現することの意味を考えてみたい。[10] (岡部大介)
203 怪異演習
墨東地域は、スカイツリーの建設に追われて行き場を失った怪異の愚痴であふれている。本講座では、そんな怪異にiphoneとともに出会い、召喚し、愚痴を聞くことを通した拡張現実を体感する。関郁恵・渡部拓郎によって開発されているiphone用アプリとともに15体の怪異のところまに出かけていく。今日の人間のハードウエアでは知覚できないが、怪異はある特定の場に「いるもの」である。人間の知覚をiphoneがサポートすることで、実際イマ・ココに「いるもの」を召喚する。そんな拡張現実を経験することの意味を考える。[10] (関郁恵・渡部拓郎・岡部大介)
204 ミニマムアーバニズム
─店先のベンチに腰掛けながら日常会話を楽しむ老人たち─これは下町の商店街でしばしば見かける風景である。本講座では、下町の商店街に欠かせないコミュニケーションツールである「ベンチ」を製作する。クライアントは商店の店主。デザイナーである学生諸氏は個別に商店店主たちにインタビューし、各々が求める「ベンチ」を製作しクライアントに「納品」する。これらの過程において生じる考察と実践の中で、どのように人と場所に寄与できるかを学ぶ。商店街に挿入されたベンチは場が持つアクティヴィティーを増幅させる装置となりえるだろうか。「最小限の都市計画」を共に実践しよう。[10](木村健世)
205 墨東デートコース制作実習
近年、スカイツリーの建設にともない、スカイツリーの建設過程を見るために押し寄せる観光客の数が増加し、これに伴って、スカイツリーを見にくる男女カップルの姿を多く見るようになった。しかし押上から京島・東向島方面に向かうデートコースはいまだ開発途上であり、カップルは、スカイツリーを対岸から眺める→浅草方面→雷門→出店で食べ歩き→浅草はなやしき→・・・というコースに流れがちである。本実習の目的は、来年のスカイツリー完成に向けて、スカイツリー→浅草方面以外の、「いつもとはひと味違った」デートコースをつくり、あるいはデートスポットを紹介することにある。デート情報雑誌のリサーチおよび地域資源のリサーチからはじめ,デートコースの策定、ディスカッションを経て、最終的には、デートコースのプランを発表することが求められる。[10](石田喜美・TA:金善美)
206 食べること
「食事」の「おみくじ」=「おしょくじ」を引いて、お店に足を運び、昼ごはん・晩ごはんをそこで食べる。[10] (三宅航太郎)
207 休講
この講義は休講です。あらかじめ決められた休講日には、瀬戸内まで足を伸ばし、岡山のゲストハウス「かじこ」で過ごすことをすすます。[20] (三宅航太郎)
208 ちいさな編綴実習(3回)
「書いて綴じる」ことを見直す。誰かへの連絡や、情報伝達の手段がデジタルになりつつある現在、あえて「モノ」に言葉と気持ちを託すとはどういうことか、本実習では、受講生が実験しながら考える。大きく二段階にわけられる実習の前半は、いまの自分がひとまとまりのメッセージを伝えたい相手がどこにいるのかを明らかにしながら、展示見学や資料収集、対話を通じて、編綴の幅を広げる。後半は、部数や素材などの物理的な条件を決め、綴じてまとめる作業、届ける過程の設計に取り組む。工房型で進行するため、知識の習得よりも、このテーマに向き合う切実さを感じている学生を優先的に受け入れる。墨東大学の卒業制作に向けた参加も歓迎します。[10](香川文)
209 オープンキャンプ
オープンキャンプは、文字どおりオープンな気持ちで考えている講義・実習です。だから、何をやるか、なかなか決まりません。オープンで寛容な気持ちで参加してください。
【10月14日】この日は、非公式な「墨大キックオフ」として、「オープンキャンプ」を開きました。[10] (加藤文俊)
210 オープンキャンプ2
オープンキャンプは、文字どおりオープンな気持ちで考えている講義・実習です。だから、何をやるか、なかなか決まりません。オープンで寛容な気持ちで参加してください。
と言いつつ、何をやるか思いつきました。11月4日の「オープンキャンプ2」では、わが墨東大学のプロモーションビデオを制作します。撮影から編集まで、YouTubeにアップが完了するまで帰れません。しかも夜なので、どうしましょう…。といろいろ考えながら、作業します。定員6名(くらい)。[10] (加藤文俊)
211 オープンキャンプ3
オープンキャンプは、文字どおりオープンな気持ちで考えている講義・実習です。だから、何をやるか、なかなか決まりません。オープンで寛容な気持ちで参加してください。
※詳細は、決まり次第お知らせします。[10](加藤文俊)
212 ちいさな編綴実習:補講/於:ふるほん日和
この日は、向島でひらかれる【第2回井戸端古本マーケット「向島・鳩の街 ふるほん日和」】(通称:ふるほん日和)で補講を行います。「紙のバイキング」や、スカイツリーならぬ「ブックツリー」に参加しながら、制作の準備にとりかかります。[10](香川文)
・「ふるほん日和」ウェブサイト:http://furuhonbiyori.seesaa.net/
・「ふるほん日和」ツイッター:http://twitter.com/furuhonbiyori
213 みんなで昼寝をする。(授業中に昼寝をするためのくだらない徹夜)
荒川で昼寝をするという授業です。その昼寝のために、前日の徹夜が授業参加の必須条件にしたいと思ってます。そのためにどんなくだらない徹夜をしていたかをそれぞれで報告しあい、みんなで寝ようと思います。同じ授業参加者による徹夜は禁止にしたいと思います。(一緒に飲んでたとか。) 持ち物:昼寝セット。 [9](三宅航太郎)
214 毎日が楽しいぜ!
きっかけは、このつぶやき〈疲れたとか、辛いとか、苦しいとか。そゆのは毎日聞くけど「いま、ほんっと毎日が楽しいぜ!」って、言ってる人にはなかなか会わない。どうなの、これ。〉でした。その後、「毎日が楽しいぜ!」というつぶやきが連鎖し、ついに墨東大学の講義・実習科目となりました。すばらしくスピード感のある、ポジティブな連鎖でした。
毎日が楽しくて楽しくてしょうがない皆で集まって、どう楽しいか絵に描いて報告しあうっていうめちゃめちゃポジティブな講義・実習です。[10] (市川友美)

※[ ] 内の数字は単位数
※「向島概論」「卒業制作」は必修科目であり、「在学=履修」という扱いですので履修申告をしていただく必要はありません。